桑野幸徳 |
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太陽光発電技術研究組合名誉顧問,大和ハウス工業取締役,元三洋電機社長 |
2021.5.13- |
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「GENESIS計画計画の実現を確信」
太陽エネルギー学会のフェローに選ばれたことを大変名誉に思い、関係各位に深く感謝申し上げます。私は1973年(約50年前)のオイルショックを契機に太陽電池の研究開発と実用化に関わり、アモルファスSi太陽電池を用いたソーラー電卓の開発、工業化を担い、その後、サンシャイン計画にも参画しました。地球環境問題が顕在化する中、1992年に初めての逆潮流ありの太陽光発電(PV)システムを自宅に設置して、PVの普及に多くの人と共に勤めてきました(約30年経ったこのシステムは順調に稼働中)。PVを始めとする再生可能エネルギーは、当初コスト高が課題でしたが、最近、発電コストを評価する指標である「均等化発電原価:LCOE」が従来の化石燃料などのコストを下回り、PVの普及は世界的に560GWにも達しました。私が1989年に提唱したGENESIS計画(世界の各地に太陽光発電システムを設置、ネットワーク化し人類のエネルギーを賄う)が実現する日も近いと思います。本学会の発展を期待してます。
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石原好之 |
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同志社大学名誉教授 |
2021.5.13- |
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「日本太陽エネルギー学会フェロー就任にあたって」
この度、日本太陽エネルギー学会のフェローに認定いただき、光栄です。ありがとうございました。1980年代前半、ゼミ生の「これからは太陽エネルギーの時代ですよ」との言葉で、「牛にひかれて善光寺参り」の如く、全くの門外漢が太陽光発電システムに関する研究を始めました。2012年に大学を定年後もしばらくの間、日本大学西川先生との共同研究も、学生諸君と一緒に続けることができました。また、研究発表を通して日本太陽エネルギー学会とのかかわりができ、学会の仕事もお手伝いさせていただきました。この間、日本電機工業会から太陽光発電に関する用語規格の制定への参画を要請され、JIS C 8960「太陽光発電用語」の制定・改定に携わりました。その後、現在まで太陽光発電関係のJISの制定に、委員の皆様と一緒に努力しています。今しばらく、規格制定・改訂を通して、太陽光発電分野の発展に少しでも貢献できればと思っています。
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小西正暉 |
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太陽光発電技術研究組合監事,元キヤノン,元徳島大学客員教授 |
2021.5.13- |
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「世界に遅れるな、大型洋上太陽光発電!」
メーカーで太陽電池ビジネスを担当し、リタイア後も太陽光発電に関わってきました。最近は大型洋上太陽光発電に興味を持って調査を続けています。洋上と言えば、まずは皆さま悪天候を挙げられますが、2006年のレポートによると、鹿児島県で養殖生簀を守るために作られた「浮消波堤」が、台風に対して機能したと報告されています。波浪に関しては、頑丈な土台に載せるのではなく「波乗り太陽電池」を考えています。例えばフェリー乗り場などにあるゴムのボール(浮遊空気式防舷材)に乗せます。ワンサイト1GW(2.5km四方くらい)を100ヶ所作れば日本の電力の10~12%を賄えます。このような大型浮体は漁礁になります。土佐沖には土佐黒潮牧場ブイなるものがあり、効果が出ています。コストを心配する方もいらっしゃいますが、私の超楽観的な試算では10円/kWhくらいで、あと一歩です。
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中野昭一 |
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クリーンベンチャー21社外取締役,元三洋電機 |
2021.5.13- |
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「再生可能エネルギーの利用拡大に貢献できる学会を目指して」
私が三洋電機で、太陽電池に関わって40年以上になります。当時の太陽電池は電力用には使えませんでしたが、サンシャイン計画のもと、多くの人達の努力の結果、今では主要電力源の一つと言われるまでになりました。開発の過程では、各機関から研究成果が応物学会などで報告され、それが他の研究者に刺激を与え、開発の進捗を促すという効果がありました。学会の役割は大きかったと考えています。脱炭素社会に貢献を期待されている太陽光発電の向上には太陽電池、インバータ、蓄電池、環境保護など、多くの課題への取り組みが必要です。そのためには、気象、エネルギー消費、土木などを含む多方面の研究者が交流し、課題を広く論議できる場が不可欠です。本学会はそれができる開かれた学会を目指す必要があります。選んでいただいたフェローの一人として、再生可能エネルギー応用の加速に向けて、少しでも貢献できればと思いますので、よろしくお願いいたします。
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太和田善久 |
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大阪大学招へい教授,大阪大学特任教授,元カネカ |
2021.5.13- |
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「日本太陽エネルギー学会のフェロー就任挨拶」
この度日本太陽エネルギー学会のフェローに認定頂き、光栄の極みです。1980年に太陽光発電分野の研究に転向して以来40年が経ちました。当時は100円/Wが目標で、その実現には薄膜Si太陽電池しかないとされ、まずはアモルファスSi太陽電池で8%の効率を達成すべく世界中でしのぎを競った時代でした。幸い1082年に8%を世界で初めて実現することができ、私の所属していた(株)カネカで民生用のアモルファスSi太陽電池のフィルムソーラを実用化しました。学会にも貢献すべしとして1985年頃に団体会員になりました。当時は応用物理学会で活動しておりましたが、実用面で関西支部のお世話をするようになり、日本太陽エネルギー学会の個人会員になって27年です。その後理事、副会長を務めた後、2014 年から2期4年間日本太陽エネルギー学会の会長を務めさせていただきました。今学会は、2050年カーボンゼロエミッションに向け太陽エネルギー利用技術すべてをカバーする学会としての革新が求められ ています。フェローとして,こうした革新に少しでもお役に立てればと思う次第です。
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小長井誠 |
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東京工業大学名誉教授,東京都市大学特別教授 |
2021.5.13- |
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「太陽電池セルからPVシステム研究へ」
JSESに新規加入した1988年頃、太陽光発電は学術分野として、また新産業として立ち上げの時代であった。1994年に住宅用太陽光発電システムへの補助事業が始まると、太陽電池を設置した住宅を探し写真を撮るのが趣味となった。1998年、東京から大阪まで新幹線で移動する際、一度もうたた寝をすることもなく太陽電池付き住宅を探し続けた。富士川、浜名湖、岐阜のあたりで3軒見つけカメラのシャッターを切ったときの感動はいまでも忘れられない。それから20余年、2019年秋に中国・青海省ギガソーラー発電所を視察した際は、非常に大きな衝撃を受けることとなった。太陽電池はわが国が世界一ではなかったのか? 生産量、導入量は負けても技術は世界一でなければならない。いまでも日々、太陽電池のことばかり考えているが、最近は、ZEBへの適用などを考え、年間発電量を考えた太陽電池開発を目指している。
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小林広武 |
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電力中央研究所名誉研究アドバイザー |
2021.5.13- |
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「太陽光発電の系統連系・利用技術の確立を目指して」
大学の卒論研究から始めて約40年間、一貫して太陽光発電に関わる研究開発に携わってきました。石油ショックによる代替エネルギーのニーズが高まっていた学生の時に、太陽光発電に関心を持ったのがきっかけで、大学では多結晶太陽電池に関わる研究に取り組みました。その後、電力中央研究所において、太陽光発電を中心に、分散形電源の系統連系技術と利用技術の研究開発に従事し、これらの電力系統と調和の取れた円滑な導入に微力ながら貢献してまいりました。再エネ電源が国の主力電源として位置付けられた中、太陽エネルギー利用電源の電力系統への更なる大量導入と安定利用を実現するための技術課題はまだまだ多く残されており、今後とも、これらの実現に向けた活動を中心に、太陽エネルギー利用技術の発展に少しでも貢献できるように注力して行く所存です。
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西川省吾 |
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日本大学教授 |
2021.5.13- |
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「太陽エネルギー学会フェロー就任にあたり」
この度は日本太陽エネルギー学会のフェローに認定いただき,感謝の言葉もございません。振り返ると,私が太陽光発電に初めて関わったころは,オイルショックの影響により,石油の代替エネルギー,いわゆる新エネルギーとして大々的に研究が行われていました。そしてオイルショックが過ぎ,しばらくすると今度は世界的に「地球温暖化」が問題視され,二酸化炭素の排出削減への手段として,世界的に導入が進められ,現在もますます加速されています。一方,研究内容も時代とともに変化してきました。私の専門分野はシステム関連ですが,最初のころは高効率・低コストシステムの構築が目標でした。しかし,現在では故障検出など保守に係る研究開発がメインです。さらに時代が変わると,まだまだ変わるかもしれません。太陽光発電が社会から必要とされる電源であり続けられるよう,微力ですが今後も貢献したいと思います。
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南野郁夫 |
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宇部工業高等専門学校教授,元オムロン |
2021.5.13- |
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「よりよい社会のため、太陽光発電の健全な普及を!」
この度は、フェローの称号を授与いただきありがとうございます。宇部高専の学生と一緒に研究した成果と、中国地区高専太陽光発電研究会(PVKnet)およびオムロン㈱等との研究成果が本学会から認められたものだと思います。南野研学生とPVKnetと企業等の関係者に深く感謝いたします。
フェロー称号授与理由の3受賞(論文賞、優秀技術賞、奨励賞)の研究成果の発想のコツをご紹介します。一言でいうと、アナロジー思考です。セイコー精機㈱時代の磁気浮上制御技術を温度制御に応用し効果を発揮し、温度制御のモデリング技術を太陽光発電のモデリングに応用し効果を発揮したからです。本質的な問題の構造(機序)は同じだろう、遠い分野で応用できたら面白く新規性もあると考え試しました。それが幸運にも有効だったのだと思います。
今後もよりよい社会のため、太陽光発電の健全な普及と本学会の更なる発展に、微力ながら貢献したいと思っています。
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木村英樹 |
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東海大学教授 |
2021.5.13- |
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「カーボン・ニュートラルを目指すクルマの開発」
この度は、このような栄誉にあずかり誠にありがとうございます。大学教員となり、ソーラーカーチームのメンバーとなって活動を開始したことが、本会に入会するきっかけとなりました。それから間もなく23年が経ちますが、この間に太陽電池モジュールのレイアウト法や、それに関連したMPPTなどの配置法、電気二重層キャパシタの応用、高効率モーターの開発、小型燃料電池車などについて、企業・研究所・学校等と連携して研究開発を進めてまいりました。学会内では各種委員会に参加して、多くの会員の皆さま(=同志)と交流することができました。そのおかげもあって、ソーラーカー世界一という実績を残すことができました。現在は本会の事業として製作講習会を毎年開催しています。今後もカーボン・ニュートラル社会を実現するためのクルマづくりを担うことができる、若手エンジニアの育成に力を入れていれていきたいと存じます。
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若尾真治 |
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早稲田大学教授 |
2021.5.13- |
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「持続可能な社会の実現に向けて」
この度は日本太陽エネルギー学会フェローの称号をいただき,御礼申し上げます.電力ネットワークに再生可能エネルギー由来の分散電源が大量導入されるなか,解決すべき課題は増加の一途をたどっています.これまで,大規模数値解析を用いた太陽光発電システムにおけるエネルギマネジメントの最適化に関するテーマに取り組んできました.家庭用太陽光発電など多くの人々がエネルギー供給に携わると同時に自ら消費する社会構造へと適切に転換していくためには,技術開発のみならず,人任せではなく社会を支えるエネルギー供給の一翼を担っていくという意識を皆で共有することが重要です.日本太陽エネルギー学会では,様々な再生可能エネルギーの活用を目指すと同時に,一般から専門家まで広い範囲を対象に情報発信を行っています.持続可能な社会の構築に向けて,先に述べました意識共有の実現を目指し,本学会の場で微力ながら貢献していきたいと思います.
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岡島敬一 |
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筑波大学教授 |
2021.5.13- |
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「低炭素でレジリエントな社会に向けて」
この度はフェロー認定を頂戴し御礼申し上げます。低炭素かつレジリエントなエネルギーと社会を目指し、エネルギーシステム評価研究を行っています。わが国の電気事業で初の事態となった2018年9月の北海道全域でのブラックアウトが記憶に新しいところですが,われわれの想定を遙かに上回る規模と頻度で,大地震や自然災害が発生し,エネルギー途絶に見舞われる事態が起こるようになってきています。これまで,エネルギーシステムの低炭素化とレジリエンス性は別種に扱うものと見なされがちでしたが,2050年カーボンニュートラル実現を目指しつつ、今後は双方を兼ね備えたエネルギーシステムが大いに求められます.分散型低炭素エネルギーの中核を担う太陽光発電は「低炭素でレジリエントな社会」を担う基盤であり、技術面のみならず社会面や政策面についても本学会が議論をリードできるよう期待するとともに、微力ながらも貢献できれば幸いです。
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植田譲 |
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東京理科大学教授 |
2021.5.13- |
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「太陽光発電の価値を高めて脱炭素社会の実現を」
太陽光発電システム技術と分散型電源の大量導入に向けた研究を行っています。電源に求められる価値は,エネルギーとしての価値のみならず,環境価値や需給調整力としての価値,災害時の活用など様々です。太陽からのエネルギーを利用する再生可能エネルギーが主力電源の一翼を担うためには,これからも新しい技術で電源としての価値をどんどん高めていく必要があります。エネルギーインフラの更新は一朝一夕にはなりませんが,本学会でのフェローとしての活動を通じて,次の世代を担う研究者,技術者の皆さんと一緒に脱炭素社会の実現に貢献できるよう,学会活動を盛り上げていきたいと思います。
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桶真一郎 |
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津山工業高等専門学校准教授 |
2021.5.13- |
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「太陽光発電の健全な普及のために」
太陽エネルギー,とりわけ太陽光発電を取り巻く情勢は常に大きな変化を続けています。その変化は,必ずしも好ましいものばかりとはいえません。たとえば,一般の方々の抱く太陽光発電のイメージはここ10年以内で良い方から悪い方に大きく転換したのではないかと感じています。これまで,太陽光発電の主力電源化に貢献したいという思いから,集光式太陽電池モジュールの開発と評価,太陽光発電電力の予測とその利用,太陽電池モジュールの故障特性の評価といった研究に取り組んできました。このような状況をたいへん悲しく感じていますが,一研究者である私にできることは,地道に研究を続けその成果をできるだけわかりやすい形で一般社会に還元していくことだと考えています。他のフェローの方々に比べて実績や見識は大きく不足していると思いますが,微力ながらも太陽エネルギーの健全な普及と学会の発展に貢献できればと思います。
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伊藤雅一 |
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福井大学准教授,元早稲田大学准教授 |
2021.5.13- |
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「初めて発表した学会」
この度はフェローとして認定頂きまして大変光栄です。約20年前の学生の時に入会し,それからずっとお世話になっております。専門は太陽光発電システムですが,当時は電力系統に接続できるようになって間もなく,周りにはほとんどありませんでした。それが,今では産官学どこでも主力電源化に向けた取り組みが進められ,再エネ導入目標も引き上げられました。一方で,何もしなければ「お日さままかせ」という点は当時から変わりませんので,この解決に向けた取り組みがとても増えています。私自身も太陽光発電システムに限らず,蓄エネ装置や風力発電,電力ネットワーク,LCAなど,主力電源化につながるような分野に興味があります。このような分野を広く俯瞰している日本太陽エネルギー学会は,勉強だけでなく,研究発表会などでのネットワーク構築や,友人と切磋琢磨できる場であり,この素晴らしい場を僅かながらでも盛り上げていきたいと考えております。
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